雨季が1年のうち2~3ヶ月しかない。

それ以外は雨の降らない乾燥した天気が続く。

いわゆるぼくらが抱くアフリカ。

風に立つライオンの世界か。

現在滞在しているコティドの町がある

カラモジャ地域は

ザ・アフリカという場所だ。

 

近年の地球温暖化の影響か

雨季でも雨が降らないことが

増えているという話もあるようだ。

 

水が干上がってしまえば、植物は育たない。

植物が育たなければ食べものがなくなってしまう。

数年前の旱魃では、死者が1,700人ほど出たそうだ。

 

食料を強奪するため、

小銃で武装して襲撃する集団もいるという。

病気も多いようで、汚い水が原因になっている。

 

こうした厳しい環境のなかで

最貧困層の暮らしを守ろうと

テラルネッサンスは、カラモジャ地域で3年前から

活動をはじめたそう。

それが灌漑施設建設による1年を通した

野菜作り事業だ。

大きな溜池を掘り、雨季の間に水を貯め

敷地内に設けた高所タンクに送り、

そこから畑に水を供給することで

1年中作物を育てることができる。

この仕組みを作りを支援者たちと

農業の専門家スタッフ等も交えて

作り上げていっている。

その陣頭指揮をとっているのが

テラルネッサンスの田畑さん。

この地に一人で入り、構想を練り

事務所開設から資金調達のための企画書づくり、

スタッフや用地の確保から

施設工事まで、先輩や上長などのサポートを受けながら

行ってきたそうだ。

もちろん、テラルネッサンスの支援者からの寄付金など、

多くの方が関わってできている事業ではある。

田畑さん自身は、1年間で3回もマラリアにかかり

細菌による感染症で2週間あまりの入院を余儀なくされるなど

まさに体を張ってこの事業を牽引してきた人だ。

その畑を見せてもらうことができた。

枯れた大地のなかで、ここだけに緑が広がっている。

当初住民は、何ヶ月か先の野菜より

今食べるものが欲しい。

1日1食食べられるかどうかの人たちだそう。

おなかがすくのも当然だろう。

だけど、自分たちの食糧自給のため

そして現金収入を得るために

長い目で作物を育てることを

粘り強く説明してきたという。

収穫のとき、支援者の一人がが採れたトマトを

田畑さんに買って欲しいといってきたそうだ。

それがとても嬉しかったと田畑さん。

 

彼らはこれまで外国の援助漬けになり

自らが何かを生み出す意識が乏しかった。

それが作物を育て、収穫できたことで

援助から自立へと意識が変わり始めた一歩であり

やってきた甲斐があったと感じたそうだ。

 

人のためと自分のため。

多くの人の想いをもとに

田畑さんが形にしたフィールドで

150世帯の自立した暮らしを目指して

サポートが続いている。

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