今日はサンルイというモーリタニアとの国境付近を目指して北上する1日目。

230kmくらいなので、3日でいけるが、

見てみたいところもあるため、4日間で進む。

1日目はラックローズという塩湖を目指す。

35kmくらいだから楽勝。むしろ宿のチェックインが14時からのため

それまでに炎天下のなか、どうやって時間を潰そうかと考えるくらいだ。

朝明るくなるのが、8:00ぐらいなので、それくらいからスタート。

海岸沿いの道を選んで、そのまま北上していく。

途中、見てみたかった場所に立ち寄りながら、走っていた。

宿まで、あと10kmほど。まだ11時にもなっていない。

早くつけば、荷物だけ置かせてもらって、ラックローズを見にいくつもりだ。

真昼間の暑い時間に歩くのも大変だ。

そんなことを思いながら走っていたら、少しずつ道がわからなくってきた。

基本Googleマップを見ながら走る。

しかし、マップが示す道が見当たらない。

何度も同じ道を行ったり来たりして

道をさがしてみるが、わからない。

地元の人に聞いてみると、あっちだと教えてくれるが

言葉が全くわからない。

ジェスチャーで指示された方向に進むと、さっき来た場所だ。

彼らが行っていた方角には、確かに道はあるが

未舗装で、たっぷり砂が道を覆っていて狭い。

本当にここを行くのか?

疑いはじめ、歩いてきた人に道を聞いてみると、

言葉が伝わらなかったからか、歩いてきた道を引き返して

わかりやすい道まで誘導をしてくれるようだ。

彼についていくと、舗装された道から

やはり砂だらけの道を入っていく。

自転車は、砂だらけの道に弱い。

前に20キロほど、後ろに15キロほどの荷物を積んでいるのもあり

タイヤが砂にめりこみ、前に進むのにかなりの力がいる。

彼が後ろから押してくれて、なんとか前へ進める感じだ。

その道を行くと、別の道が見えてきた。

舗装されている道に出ると、彼は左に行けばいいと教えてくれ、

彼は手を振りながら右に折れていった。

彼の親切心に感謝した。

日本で同じ状況になっても、自分にはできないだろう。

ところが、ここからさらに泥沼に入っていく。

道路を進んでいくとGoogleマップが示す道の方角は

また砂だかけの道だ。

しかもちょっと入り組んだところを入っていきながら

また真っ直ぐに示された道に出るようだ。

道がわからず、地元の人に聞くと、あっちだと指で示してくれる。

しかし、彼が示すのは今来た道の方角だ。

他の人たちに聞いてみると、指し示す方向が違う。

おそらく道が何本もあるということなのだろう。

強くすすめる人の言葉を信じて進むが、砂の道に迷い込む。

さらに道を聞いても、それはさきほどダメだと言われた方向だ。

どうにもならなくなってきた。

落ち着くために、一度休憩をする。

しかし、周りの人たちは、あいつは道に迷っていると

おせっかいのように、いく方角を指している。

10人以上に聞いただろうか。

事情がわかる人に出会えた。

彼は自転車を見て、これでダートを行くのは無理だろうと考えて、

Googleマップを見ながら、大回りの道を示してくれた。

結果的にこの道よりもさらに大回りの道をいくことになるが、

このことで、聞く人によってなぜ道が違うのかがわかってきた。

道の概念が違うのだ、

彼らにとっては、砂の道も、舗装道路も同じ道。

自分たちが日頃歩いたり、バスにのって移動する道なのだろう。

だから、示す方向が違うのだ。

最終的には、道を聞いていたときに、

近づいてきて教えてくれた人が正解を教えてくれた。

彼も機転が聞く人で

「この自転車でこの道は無理だ。自転車なら大回りして舗装道路を行った方がいい」

と説明してくれて、それでまわりの人も納得したようだ。

10キロ近く大回りしたかもしれないが、

砂の道を行くより遥かに楽だ。

道についてはGoogleマップも

砂の道を含めて車のルートを割り出してくる。

1時間以上彷徨ったが、これから旅をすすめる上で

とてもいい教訓になった。

明日泊まろうとか考えていた宿も

Googleマップでみると、どうやらダートの先にあるようだ。

その宿を諦めて、なるべく舗装路に近いところを

Bookingドットコムで予約をした。

明日走る道も、大回りすることになり

予定より10キロ以上は多く走ることになる。

何事も予定通りにいかないが旅。

だからこそ、セレンディピティもあるのだろう。

明日はどんな1日になるだろうか。

楽しみだ。

なぎさドライブウェイのようなビーチを行き交う人々
ラックローズは塩湖。そのため湖底から塩をかきあげ船にのせ、湖岸で乾かして出荷するそうだ。大変な重労働、おそらく賃金もそう高くないのだろうが、肉体と笑顔は素晴らしい。
かつてのパリダカのゴール地点でもある。今は何もないけど。
ラックローズのまわりにはいろんな風景があった。

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