昨日は爆睡しているはずだったが、
自転車のことがずっと気になっていたのだろう、
自転車を引き取りに空港にいこう!と思って目が覚めた。

空港から宿まで60km近くある。17時までに戻りたいと思うと
うかうかしていられない。

朝食を買いに近くの雑貨屋のような八百屋のような小さなお店へ。

そこで、コスパ抜群のバゲッドのサンドイッチをテイクアウト。

8時くらい空港に向けて出発する。

まずは、乗合バスやタクシーなどが集まる
いわゆる大きなバスターミナルを目指す。

大通りに出ると、バスはたくさん走っているが
どのバスに乗っていいかわからない。

歩いている人に聞くと
ほとんど英語が通じないので、ジェスチャーになるが、
なぜかバスではなく、タクシーを止めてくれる。

タクシーは高いし面白くないので、バスで行きたいのに
なかなかわかってもらえない。

バスターミナルの方向に歩いているうちに、
バスに番号が書いてあることがわかってきて
その傾向が少しずつわかってきた。

バス停らしきところで、グーグルマップを見せながら
ジェスチャーで番号を聞くとわかった。

そのバスが来たときに、これだと教えてもらい乗り込む。

一番後部座席に座ると、なぜか席のワンシートだけ金網に覆われた中に人がいる。

靴を履いていない若いにいちゃんが車掌さんのようで、金網ごしにお金を払う。

席に座って車内の風景写真を撮ろうとすると、斜め前の席から
強い口調で注意される。意味がわからずGoogle翻訳に頼ると
「写真はやばい」と表示される。

注意されたついでに(というのもどうかと思うが)、
どこで降りたらいいのか
Googleマップでバスターミナルをさしながら聞いてみる。

すると、うなずいて大丈夫!しぐさ。

教えてくれるってことか?と思いつつ、
Googleマップで移動していく現在地を確認。

バスが止まる。

するとまわりの人が一斉にここだ!と教えてくれた。

ぼくが行き先をたずねているのを
聞いていたのだろう。

こうしたちょっとしたうれしい出来事が
旅を続ける上でのモチベーションになる。

空港行きのバスを見つけて、
10:30ごろ無事に空港に辿り着く。

係員にロストバゲージの書類を見せると裏口から、
ターンテーブルのある場所に通してもらえた。

昨日行ったバゲジクレームで書類を見せると
あのあたりにあるだろうから探してみてくれ、と指示される。

膨大な数のスーツケースや荷物の山。

300個ではとてもきかない、500個以上あるのではないだろうか。

壊れた荷物もあるし、ボロボロになったスーツケースもある。

疲れ果てた満身創痍の荷物の中から
届いているかどうかもわからない自転車を探す。

指定された山に荷物はなかった。

不安がよぎる。

この数が各空港にあるとしたら、別の空港で
自分の自転車がこの状態になっていてもおかしくはない。

自転車で走ることはできないんじゃないか。

別の山もしらみつぶしに探す。

すべての荷物の山を見たが、結局見当たらなかった。

明日も明後日も、見つかるまで空港に通い続けるってことか。

納得できず、もう一度見返してみることにする。

すると、大きなスーツケースの影になるようにして、
見覚えのある輪行袋が見えた。

近づいていくと確かにそうだ。

輪行袋も待ってたよーって、背伸びをしている(ように見える)。

「会いたかったー」と思わず、言葉が出た。

関空までの移動中、あれほど重たく感じた自転車が重く感じない。

そのまま肩に担ぎ、晴れ晴れしく空港ロビーを出た。

 

屋根のあるところで自転車を組み立てはじめる。

ほどなくして、スーツにサングラスをかけ、
バリっとした年配の空港職員がやってきた。

最初は興味本位かと思っていたが、ずっとそばで見ている。

そのうち、自転車のあれこれから始まり、旅程や滞在先、
職業なども聞いてくる。

自転車が組み上がった時点で、
どこかに連れて行かれるんじゃないかと思えてきた。

キューバで街並みを撮影していて
イミグレに連行され監禁されたことが
頭をよぎる。

この人から逃げる手段を探そうすると、
まったく離れる気配がない。

完全にマークされている。

自転車が組み上がった。

そしてヘルメットをかぶり出発の支度を始めると
一緒に写真を撮ろうと言ってきた。

これが証拠写真となるのだろうか。

と思っていたが、どうも様子が違う。

とても楽しそうなのだ。

「俺たちは友だちだ」

WhatsAppをしているか」

などなど、普通に出会ったときの会話になっていた。

彼の仲間が集まり、数人に見送られてダカールに向けて
12:30ごろ出発。

屋根のないところに出ると、日差しがきつく一気に汗が出てきたが
こうして自転車で走れることがうれしい。

幹線道路に出ると、
砂埃と尋常じゃない排気ガスとオイルを含んだ空気を浴びながら走る。

横をすり抜けていく車のスピードが高速道路なみだ。

気が抜けない道をと中継をはさみながら
4時間近くかけて、ダカールに戻ってきた。

手や顔は黒ずみべっとりとしているが
満足感でいっぱいだった。

撮影していると「やばいよ」と厳しく注意された。ダカールはどこにいってもそう。かなり高い確率で注意され、撮影ができない。
自転車との再会の場所。他の荷物をどけて撮影。真ん中にある真っ黒の布製かばん。
休憩にフルーツを食べるために立ち寄ると、セネガルの名物料理チェブジェンを食べて行けと招かれた。スプーンは使い回しだが、まじで美味い!
セネガルといえばサッカーを思い浮かべる人も多いのでは。自動車の解体工場が背に砂のグラウンドで練習しているのが印象的だった

2件のフィードバック

  1. 無事に自転車を見つけることができて良かったです。旅を楽しんでくださいね

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