帰国しました!という報告ができないまま、帰国してしまっている。
客観的に見るとさぼっていたことになるか。
でも、本人としては、報告するより、ふとんに倒れ込みたいというのが優先してしまったか。
そこからは、ふとんとトイレの往復の時間が始まった。
ガンビアにいる2月初旬から、のどがイガイガし始めていたことは以前のブログにも書いていた。
それが、最初の兆候だったのだと思うけど、それが治らず帰国前には咳き込むようになる。
飛行機は2回乗り換えたが、座席周りに人に大変申し訳ないくらいに咳き込んでいた。
体もだんだんしんどくなってくる。
面倒なことは重なるもので、ドイツでの乗り換えの際には、少しでも早くトランジットの手続きを済ませて横になりたかったが、セネガルで発券のチケットに不備があり、チェックインをやり直せとの指示。
一度空港を出て、チェックインの時間まで待ち、再度発券を依頼するという状況になってしまった。
飛行機に乗ると、3列シートの真ん中を除いてほぼ満席。
日本に向けて12時間のフライトが始まる。
咳が続くと、だんだん周りの人が顔を背けたり、ちょっと嫌そうな顔をしたりしているのがわかる。
熱が上がってきたようで、おでこがかなり熱い。
フラフラしてきて、これはまずいと日本人CAさんに、咳がひどいので、どこでもいいから、人と離れた席はないかと尋ねてみる。
残念ですが難しいですね。と、さら〜っとあしらわれる。
いら〜っとするような言い方だったが、そんな感情が湧き上がる元気もなかった。
席に戻ったが、どうにもならないので、縦通路をつなぐ横通路にもたれかかる。
ここなら誰もいない。
ふ〜っと息を吐くと、意識のスイッチがオフになったのか、いつの間にか床に三角座りをして寝込んでいた。
大丈夫ですか?と起こされ、事情を説明すると、CAさんが着陸の際に座る席に案内され、そこに座らせてもらった。
しかし、しばらくすると、近くの席の人からクレームが入ったのか、席に戻るように諭された。
というくらいのことは思い出したが、それ以上のことがあまり思い出せない。
長い長い悪夢のようなフライト。
どのようにして飛行機を降りたかもあまり覚えていないが、検疫に立ち寄る意識は持っていた。
検疫では、マラリアかもと相談するが、マラリアの症状ではないようだと検査はしてもらえなかった。
医療従事者と話ができて、少し気が楽になったから、このまま早く家に帰りたいと思うが、
体はベンチで横になりたいという。腰がなかなか上がらない。
外に出ると寒さに驚く。
薄着のまま震えながら、電車を乗り継ぎ、家についたときには、何もかもそのままにふとんに倒れ込んだ。
使い慣れた布団は、一番の安全地帯。
これでとりあえず、だいじょうぶーと言い終わる前に、意識は遠いていった。
しばらくして、トイレとの往復や強制滞在が始まり、食欲が全くなくなり(これが一番心配だった)24時間、何も食べない状況に。
胃腸はからっぽでも、腸内のいい奴らが悪い奴らを追い出しにかかっているのか、トイレへ行けの命令が頻繁にやってくる。
そんなことを繰り返しているうち、回数は減り、それとともに熱も下がりはじめて、今日はようやく平熱近くまで下がってくれた。
激戦の後で、カラダ防衛隊も疲れているけれど、これでひと安心。
少し余裕ができたので、振り返ってみると、一人旅をしていると自分の場合、だいたい2〜3週間で体の変調をきたし、それを抱えながら旅を続け、克服したころに帰国するというパターンが多い。
今回はこれまに比べて旅程が短かったことで、体調を崩すタイミングが帰国に重なってしまったのかもしれない。
ノドが弱いにもかかわらず、現地の空気の悪さに対して対策もせず走り続けたことも良くなかった。
あげればいろいろあるけれど、それ以上にいろんな体験ができたことは嬉しい。
旅を終えた時に、収穫はあった?と、聞かれることは多いけど、自分にとって旅は種まき。
これから写真と体験、感じたことを、切ったり貼ったり繋いだりしながら、半年先の収穫に向けて作業を進めていきたい。
ここからもまた長い時間が必要。
たった1か月の旅だけど、じっくりと実らせることで、収穫できる内容も変わってくる。
ここからも大事だし、どんなことが自分なりに見出せるのか楽しみ。
報告会で収穫できたことを少しずつお話しできればいいなと思っています。
セネガル・ガンビアの旅についてのブログは一旦これで終わりです。
お付き合いいただきましてありがとうございました!