ガンビア国境まで30kmほどのところにあるトゥバクタという町にやってきた。
実はこれ、めちゃくちゃワープしている。
ワープって古すぎて若い人はわからないか、短縮したってこと。
自転車で走って1日で来れる距離ではない(ぼくの場合)ところまでやってきた。
昨晩、今後のスケジュールとガンビア行きのルートをホームステイ先のホストに相談した。
すると、自分の想定していたルートは道が悪いという。
グーグルマップなどでいろいろ確認したから大丈夫だと思っていたが、「道路は悪いし風はきついからその道は避けたほうがいい」と彼はいう。
その道を通らず大回りすると、40km以上多く走ることになる。
それは困った。親戚の人からは、目指す町から次の町までも「現在道路工事中だし、その区間は村もないし人もほとんどいない。盗みなども発生している区間だから自転車はダメだ。車にしたほうがいい」とアドバイスを受ける。
ここでリスクをとってカメラなどを取られた大変だ。
彼らのアドバイスを受け入れることにする。
翌日の朝、予定より少し遅れたが、6:15ごろにホストの彼と家を出発し、乗合タクシーのターミナルに向かう。
そこで彼が色々と交渉をしてくれた。
ホームステイ先の彼は、最初から最後までしっかりと面倒を見てくれる心強くて素敵な人だ。
乗合タクシーが出発するまで、待っていてくれて、見送ってくれた。
ありがとう!Modou!
乗合タクシーは、助手席に1名、2列目、3列目に3名が乗る。
かなりパンパンに詰め込まれ、自分の足を踏んづけるように隣の人の足が乗っている。
車両もかなりの年代もばかり。
凹みや歪みは当たり前。ドアも紐で引っ張って開け閉め、いろんなところから異音がするが、意外と故障もなくきちんと走る。
ここからいろんなことがわかっていく。
乗合タクシーは当初ぼくが走ろうと思っていた道路に入った。
車窓から見える景色を見ながら、道路状況はこれまで自転車で走ってきた道と変わらなかった。
この道より悪いところを沢山走ってきた。いい道じゃないか。
当たり前だけど、車は本当に速くて、自転車では1日で到底つかないと思っていたカオラクという町まで、2時間で着いてしまった。
オンボロだけど、車は速いと実感。
カオラクのタクシーターミナルで降ろされる。
強盗が出るという道を自転車で走るのを避け、次の町パシーに向かうタクシーを探す。
ところが、なんかおかしい。
一緒にタクシーに乗ってきた人が交渉してくれるが、本当にパシーに行くのかと半信半疑で乗り込む。
タクシーは途中で人を降ろしながら、ついた先はまたタクシーターミナルだった。
おそらくだけど、カオラクは大きな街だと聞いていたので、向かう先によって、ターミナルが分かれていて、そこをタクシーで繋いだんだと思う。
それにしては金額が高かったが、もうこれもしょうがない。
フランス語がまったくわからないから、委ねるしかなく、この人たちが悪い人かどうかを見極めることに神経をとがらす。
そして、ようやく向かう町パッシ行きの乗合タクシーに乗って出発した。
道が悪く、人影が全くなく、強盗が出る道という話は、見ている限りでは全然わからなかった。
道も良く(すでに工事は終わったのかも)、人影もまばらだけど人は見える。
オンボロ乗合タクシーは、その道を快適に走りパッシに到着した。
昨日のホームステイ先での話はすべて杞憂に終わった。
きっと、ぼくのことを考えてくれて、最善の方法を示してくれたんだと思う。
タクシー代はそこそこかかったけど、何も盗られずにここまでこれたことでOKとしよう。
パッシで自転車に荷物を積み、トゥバクタまでの40kmを走ってきた。
やはり自転車のこのスピードがいい。
車は速いし窃盗にも遭いにくいけど、車窓の景色は流れ、現実から引き離してしまう。
自転車は、現実の中を走れる乗り物だけど、それだけにトラブルには無防備だし、道路や風の影響をもろにうける。
自転車をメインにしながら、車も使うことで、リスクを回避しながら、うまく旅ができている。
そう自分を納得させるためにも、これを書いてみた。
明日はガンビアに入国。どんな国なんだろう。