しばらくするとボスの風格をもつビショップ(司祭)がスーツ姿で現れた。
クワイヤーに代わって、彼が話を始める。
静かに話しはじめたが、
次第に信者たちの空気を自分のものにしていく。
時に声を張り上げ、笑いをとり、聖書の一文だろうか、
フレーズや言葉を連呼させる。
サンティアゴ巡礼で何度かミサは見てきたが、
これほど聴衆の心を鷲掴みにするような司祭を見たことがない。
司祭というよりエンターテイナーの風格だ。
言葉は難しくて理解するのは難しかったが、
教会の?会場の?雰囲気を堪能するには十分だった。
朝から気分がいい。
ザンビアに来てからとにかく歩きまわっている。
午後からも少し遠出をして町を歩く。
すると、また別の教会からゴスペルが聞こえてくる。
門のところにいた女性と目があうと、どうぞ、
招き入れてもらえた。
ものすごく綺麗な声が教会に響き渡っている。
クワイヤーが練習をしていた。
男性と女性あわせて20人以上はいただろうか、
朝のノリノリのゴスペルとは違って、神聖な歌だ。
ぼくはゴスペルに全然詳しくないけど
このクワイヤーは抜群にうまかった。
心が掴まれていくのがわかる。
なんとも言えない高揚感に包まれている。
しばらく聞き入ったあと動画を撮ってもいいかと聞くと
OKが出た。
ありがたく、pocket2という小さなカメラで
動画を撮り始めたが、部屋に戻り確認してみると
残念なことにモードが動画ではなくて、
写真になっていたため、
彼らの歌声が撮れていなかった。
何をやってんだかもう。