渋イケメン。
聞いたことがあるだろうか。
もしも、この言葉を知っていたら
かなりマニアックだと思う。

これはインドを中心に旅をする
写真家三井さんが作った言葉。

インドには無駄にかっこいい男たちがいる。
それは着飾ったかっこよさではなく
毎日をひたむきに生きる男たちから
滲み出るかっこよさだ。

その渋イケメンを、インドやバングラデシュで
撮り続けている彼の
帰国報告会に行ってきた。

三井さんの報告会は、これで3度目。
いつも新鮮な驚きがある。

毎年12月から4ヶ月間ほど
インドを中心としてアジアを
レンタルバイクで旅をされている。

ここ数年は、ミャンマー、バングラデシュ、インドを
回られることが多かったが、
今回なんとナショナルジオグラフィック写真賞
グランプリを受賞された。

ミャンマーに住むロヒンギャ族が
農地で働く姿を撮影したものだった。

ロヒンギャ族は、ミャンマーに住む少数民族。
彼らは、仏教徒が多数を占めるミャンマーにおいて
少数派のイスラム教徒。
第二次大戦終結後、
度重なる民族、宗教、イデオロギーの対立で
国境を越えて逃げまどった
時代に翻弄され続けた民族だ。

そんな彼らが、近年ミャンマー軍や治安部隊によって
虐殺やレイプ、村の破壊などの非人道的な迫害を受け
被害が深刻化している。

多くの人が隣国バングラデシュに
難民となって避難し国際問題となっていることは
多くの人が知るところだ。

そんな彼らが迫害のなかでも
今日という日を淡々と生きる姿を捉えた
写真が評価されての受賞となったようだ。

長年にわたって、インドを中心としたアジアを
撮り続けてきた三井さんだからこそ
表現できた写真ではないかと思う。

観光地や新市街には目もくれず、
ひたすら働く人々の姿を通じて
その国の姿を炙り出していく姿勢に
シンパシーを感じてしまう。

今日の報告会でも、たくさんの写真を
見せていただいた。

ひたむきに生きていく強さと
生きぬいてきたプライド。

多様性を許容し、貧しいながらも
幸せそうに生きている人々を
冷静な目で捉えた写真は
やっぱりかっこいい。

スリランカに行く前に
三井さんの報告会に行けてよかった。

技術的なことも大切だけど
それ以上になぜその写真を撮るのか。
その根っこが重要だと改めて教えてもらった。

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