東海道57次の旅は、
東京日本橋がスタート、大阪駅前がゴール。
ぼくが住んでいるのが大阪だから、
当然荷物のほとんどは、
出発地点まで送らなければならない。

当初は組み立てた箱をバラして
東京で再度組み立てようと考えていた。
配送料を抑えるためだ。
しかし、それだと東京で組み立てる日数だけでなく
組み立てる場所と工具が必要になる。
探す手間や滞在費などを考えると
少々高くてもそのまま送れたほうがいいと
方針を転換。

リヤカーをそのまま送るサービスはないか。
Y運輸やS便のサービスをネットで調べると、
リヤカーのままではサイズが大きすぎてしまうムリ。

しかし、リヤカーとその上の木の箱、
中に積むコンテナ2個をそれぞれ1梱包ずつにすれば
リヤカー本体とコンテナは大丈夫だ。
問題は、リヤカーに積む木の箱だった。

S便のラージサイズ仕様だと
三辺の合計が260cm・50kg以内であれば
扱ってもらえるようだ。
そこで木の箱を測ってみる。
なんとギリギリの260cm。
このまま送ればセーフだ。
しかし、プチプチなどで梱包すると
オーバーしてしまう。

宅配会社に問い合わせると
梱包されていないものは
受付できないらしい。

そこで、宅急便以外の方法も考えた。

1.ヒッチハイク
東京に着く予定が組めないので却下。

2.レンタカー
軽トラを大阪でレンタルして、東京で乗り捨てる。
これがOKのレンタカー屋もあったが料金を聞いて諦めた。

3.友達に頼る
トラックを持つ友達にお願いする。
高速料金とガソリン代の往復を考えると難しい。
友達のスケジュールもあるし。

どれもダメ。
ならば仕方がない。
一か八かの賭けに出よう。

宅急便の営業所に持ち込み
切羽詰まっていることを伝えて
扱ってもらえる方法を考えてもらおう。
料金が少々上がるのはしょうがない。

もし、どうしてもダメとなったら、
レンタカーを借りて運ぼう。
腹を決めた。

出発前日、
S便の営業所まで歩きリヤカーを持ち込んだ。

予定どおり、
三辺の合計が260cm・50kg以内の荷物しか
扱えないと言われる。

その場で、すべて別々に送ることを伝えると
若いスタッフでは判断がつきにくいようで、
少し上の女性スタッフが出てこられた。

引越便だとリヤカーごと送ることが可能だと
教えてもらったが日程が一週間ほどかかるという。
それでは全く合わない。
なんせ、明日東京着が希望だから。

そうなると、それぞれ別々で梱包して
それが規定に合うかどうかという話になる。

その間、ぼくはこのリヤカーで東海道を歩くこと。
1ヶ月かけて大阪まで歩いて戻ってくる予定であること
そんな話を担当者に話していた。

どうにかお願いできないか。

メジャーを使ってサイズ計測が始まる。
メジャーを当てる音がシュルルと聞こえる。

なんとかならんやろか〜

木の箱はやはり何度か計り直している。
やっぱりだめか〜

メジャーの真ん中のボタンを押し
スルッと巻き戻す。

一呼吸おいてから
「う〜ん、このままでは送れませんから
きちんと梱包していただけまか。
それでお受けします!」
と言っていただけた。

な、なんと!通ってしまった!
梱包すれば、サイズオーバーするのは明らかだった。
それが梱包すれば扱ってもらえるという。

天使が舞い降りた瞬間だ。

姿勢をただし、お尻をキュッと閉めて
ありがとうございます!
と元気に頭を下げた。

梱包するためのプチプチなどの緩衝材は
分けてもらえるものがなかったので
家まで戻り車でホームセンターへ。

営業所に着くとその場で梱包作業開始。
「壊れないようにしっかり梱包してください」
その言葉どおり、木の箱はぐるんぐるんに巻いた。

もしかして、再計測でアウトとかしないよね。
と思いつつ、担当者の言葉を信じた。

リヤカーを持ち込んでから4時間ほどかかったが、
ようやく梱包完了!
重量を計測し、規定の料金を支払う。
送り状にハンコを押し、
控えを渡されるとき天使の担当者に
「明日からがんばってくださいね!』
と言ってもらった。

ギリギリのサイズ。
梱包するとサイズオーバーになってしまう。
そこのところをグレーにしたまま
預かっていただけたのは、
ぼくへのエールだと最後の言葉でそう感じた。

天使だ!40代か50代かしらないけど
あなたはぼくの天使だ!

手を振る天使に再度お辞儀をしながら
小さくガッツポーズしながら車に乗り込んだ。

ありがとう!
この旅はいいご縁に恵まれている。

いよいよ明日から東京だ。

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