昨年の暮れ、梅田での2017カレンダーの路上販売。
その時、全面的にサポートしてくれたのが、
ぼくの路上の師匠、路上詩人肝っ玉ん。
昨年、出発前に書かせてください!と
言ってくれていたので、持っていくTシャツに
書いてもらうことにした。
場所は、これまた今回大変お世話になった笑顔工房。
墨を使うとにじんでしまう。洗濯をすると色落ちする。
だからとアクリル絵の具で書いてくれることに。
彼はとてもよくしゃべる。そして質問をする。
それは、ぼくの今思っていることを
さりげなく取材し、
自分のなかに落とし込んでいくためだろう。
今どんな心境ですか?
旅に望むことは最初と変わってきましたか?
準備をしながら満面の笑みで聞いてくる。
準備が整うと、口数が減っていく肝っ玉ん。
気持ちが頂点に達したように見えた時
赤い絵の具のついた筆先が
Tシャツのど真ん中に突き刺さった。
肝っ玉んの気持ちがTシャツに入った瞬間だ。
赤い筆の描く円はどんどん大きくなり
やがて日の丸が見えてくる。
その日の丸の上に、金色の絵の具を落とし
息でフッ!と吹き飛ばす。
燃えさかる太陽もしくは、魂のようにも見えてくる。
無言で筆は進んでいく。
朱肉をつけ落款を押すと
ふぅーとひと息はいて、
こちらの世界に戻ってきた。
大きく描かれた文字は「鼓動」。
生きていることをど真ん中で感じながら
歩いてください!という肝っ玉んからのメッセージ。
うれしいことも辛いことも、苦しいことも楽しいことも、
全てが鼓動、命の音が響き渡るように歩めということだろう。
80日間休みなく歩き続けられるだろうか。
苦しいとき心は折れないだろうか。
いろんなことを考えることもあるけれど、
そのすべてが生きているということ。
命があるからこそ、感じること、感じられること。
今ここにあるということを感謝して歩こう!
魂の入った世界に一枚のTシャツ。
ぼろぼろになるまで着込みたい。