ブログを書こうと思いつつ
帰国の準備をしていたら、
あっという間に時間はすぎて
スリランカを出国してしまった。

今はトランジットで
マレーシアのクアラルンプールの
ゲストハウスにいる。

深夜便で早朝に着いたらから
体が少しフワふわしている。
眠いようで眠くないような
お腹が空いているようで
空いていないような。

明日もまた深夜便〜早朝着便で
日本に戻る。

そもそも、当初はマレーシアで
トランジットする予定などなかった。

それが、4/21にスリランカで起こった
同時爆弾テロでツーリストが激減。

予約していた中国東方航空から
キャンセルの連絡が来て
振り出しに戻ってしまった。

すでにエアチケットの値段は
かなり高くなってしまっていたので
苦肉の策で貯まったマイルを使って
JAL&エアアジアで移動することに。

そのトランジットがここクアラルンプールだ。

テロによってツーリストが激減したことは、
観光業に大きな影響を与えていた。

コロンボで定宿としていたホステルは
6月は宿泊客が数えるほどになり
かなり苦しい状況になったそうだ。

ツアーのドライバーたちも
仕事が激減し大変だと言っていた。

自爆テロは
ISに感化された過激なムスリムの仕業だ。
3つのキリスト教会や3軒の高級ホテルを含む
8カ所で爆発が起こった。

コロンボにある聖アントニー教会は
屋根が吹き飛び、凄惨な現場だったようだが、
ぼくが訪れたときには
驚いたことに、すでにきれいに修復されていた。

国の威信をかけて修復したのだろう。

警備はどこも厳しい。
ほとんど主要な町を回ったが
軍人が至る所に小銃を持って立っている。

主要な施設は、所持品のチェックが厳格だ。
何度も同じチェックを繰り返す。

ムスリムの人たちは、他の人たちよりも
さらに厳しくチェックされている。

テロ組織が拠点にしていた
100%イスラム教徒の町にも行った。

そこで訪れたモスクでは
壁一面に機関銃の跡が残っていた。
1990年、その当時スリランカからの独立を目指していた
ゲリラ組織LTTEに襲撃されたそうだ。
100人を超えるイスラム教徒が亡くなったと
町の人たちが案内してくれた。

それと今回のキリスト教会などを狙った
爆弾テロとは関係がないが、
宗教には、どうしてきな臭さがつきまとうのだろうか。

みんな幸せになりたくて、
心の安住を求めているのは同じはずなのに。
信仰の対象が少し違うからといって
どうして争わなくてはいけないのか。

信じるものへの信仰心が強ければ強いほど
それこそが正義になってしまう。
それに従わない他者は悪になる。

異質なものとして放っておけばいいのに
攻撃の対象になってしまうのは
どうしてなのか。

仏教のように精神修養に重きを置いた宗教でさえ
過激な集団が生まれ異教徒を襲撃する事件も
過去に起きている。

どうしてそんなことになるんだろう?

子供のように素朴で稚拙な疑問だ。

机の上で宗教のことを勉強すれば、
理解できることなのかもしれない。

しかし、ぼくにはそのことを
頭ではなく肌感覚として触れてみたかった。

一神教は元々好戦的だという人もいうが、
それにしても争いが生まれる火種となるものが
きっとどこかにあるのだろう。

そのことを理解したり
納得することなど簡単にできるものでない。
ただ、その疑問の入口に立って
少しでも奥深い森のなかを覗いてみたい。

それが、この旅の大きなテーマの1つでもあった。

たった45日、自転車で走って
わかるはずもないけれど
いろんな方向にココロが振れたことは確かだ。

その振れた方向に何があるのか。
それは、もっといろんなことを経験しないと
わからないのだということはわかる。

ぼくがこれからのテーマとして
取り組んでいくヒントも
この周辺にあるのではないか。

スリランカの旅を終えるにあたって
感じていることだ。

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今回、ミニベロという小さな折りたたみ自転車で
スリランカを回った。
総距離は2600kmを超えた。

本来長旅をするような性格の自転車では
ないかもしれないが
本当によく頑張ってくれた。

きれいな道もあれば、未舗装のガタガタ道、
カルデラのように大きな水たまりだらけの
穴ぼこ道。
数十cm横を疾走するバスに倒されたり
犬にも数え切れないほど追いかけられた。

排気ガス、砂煙り、
洗濯すると毎回水が黒く濁った。

同じ環境で、ぼくを乗せて
よく頑張ってくれた。

前後それぞれに10kg以上の荷物。
小さな車体だけど、平地でもMAX40kmは出た。
荷物を積んだほうが、走行に安定感があり
いい相棒と巡り会えた。

飛行機に乗せるために自転車を梱包していたとき
頑張ってくれたスタンドが
根元からポロンと取れた。
最後の最後まで、グラグラになりながらも
がんばってくれたことに感謝だ。

ありがとう!

今回の自転車、DAHON Mu D9を協賛いただいた
(株)アキボウの岡田さんありがとうございました!

スリランカではミニベロが珍しく
どこにいっても注目の的でした!


 

=2019スリランカの旅協賛=

 

 

祈りの姿は美しい
1990年、LTTEに襲撃されたモスク。今回のテロ組織の拠点があった町。
ぼくにはここまでできる信仰心がまだない。しかし、素敵だと思う。
若いヒンズー教徒。生まれ時からそこにヒンズーの神々がいたのだろう。
何百メートルにもなる布の帯を信者が運んでくる様子。この布を仏舎利塔に巻きつける。オレンジの布の帯もあるが、ブッダの袈裟の意味合いがあるそうだ。
老若男女問わず祈る。
子供たちが仏舎利塔のまわりに膝まづいて祈っている。中にはよそ見している子も。
サリーが汚れるのも厭わず五体投地に似た巡礼をする女性。ひざまづき頭を垂れるとき足首を組むのがヒンズースタイル
日本山妙法寺にて。豊中出身、83歳。ここで命の灯火が消えるのを待っておられるようだった。
ココロが揺れうごく出会いだった。お会いできてよかった。

1件のフィードバック

  1. 祈りの国、良い時間でしたね。帰って落ち着いたら、また一杯やりましょう!

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