今から2年前、
進路変更するよ、50歳の冒険!と、
高らかに、朗らからに、狼煙を上げた。
これからは旅の写真家としてやっていくのだ!
オー!って感じ。

記念すべき初年度は、サンティアゴ巡礼だった。
スペインの北西端にあるキリスト教三大聖地の一つ
サンティアゴ・デ・コンポスーテラを目指す巡礼旅。
この巡礼道がヨーロッパ各地から伸びている。
その中で、僕が歩いたのは、
フランスの中南部の街、ル・ピュイから。

1,700kmの道のりをカメラ機材とバックパックを担いで歩く。
20kgの荷物を背負って歩くのは、なかなかのものだ。

経験者によると、背負う荷物の重さは体重の1/10。
当時の僕の体重は75kg。ということは7.5kgが理想。
12.5kgもオーバーしている。

その理屈にならうと、20kgの荷物を背負うなら、
体重200kgになってしまう。
大相撲でも重量級だ。
小錦体型で1,700km歩けるか?
という素朴な疑問を持った僕は、
むしろ体重を減らすことにした。

ダイエット大作戦!
炭水化物、芋類を食べない。
米、パスタ、うどん、そば、ラーメン、パン、
じゃがいも、さつまいも、大好きなコロッケなどなど。

肉はガンガン食べた。その頃から
野菜も次第に好きになった。
豆腐は一丁ペロリが基本。
好きだから苦にならない。

2リットルのペットボトルに
水を入れて10本。20kg分をバックパックに入れて
近くの生駒山にもあしげく通った。

体重は3ヶ月で10kg落ちた。
社会人の1年生の時くらいだろうか。
びっくりするくらい体が軽い。

出発する頃には、マイナス14kgになった。
61kgは高校生の頃の体重だ。
ピカピカの高校生にもどった気分だったが、
30数年の年月はそんなに軽いものではなかった。

旅に出る報告をするために、
久しぶりに友達や知り合いに会いにいくと
決まって、一瞬顔がひきつるのだ。

たわいない話しをしながらも
どこかよそよそしい。

そして、ダイエットの経緯を話すと
「あ〜よかったぁ〜、ガンか思たわ〜」
とこれまでの表情に戻ってくれる。

若い頃は、ダイエットをすると、
「締まったなぁ〜、かっこええやん」となるけれど
この歳でダイエットすると、病気だと思われる。

10代、20代は肌も心もツンツン突っ張っていたが
次第にありのままを受け入れるようになるのだ。
体と心は繋がっている。
そのことがこんなところにも現れるようで面白い。

体を絞って挑んだ1,700kmの巡礼の旅。
病気で寝込むことはあったけれど、
足が痛くて歩けない、
ということにはならなかった。

人生初の本気ダイエットによって
体重管理は大事だと思い知らされつつも、
順調に、いや想定外に体重は増え続け
今では誰も、「ガン?」とは言わなくなった。

良いのか悪いのか。
しかし、これもまた受け入れる。
諦めではなくて、度量が広くなったんだと。

歩いているときの様子は、
当時書いていたブログがあるので、
興味のある方は、そちらをどうぞ。

サンティアゴ巡礼2017 in France and Spain

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