21.シアワセな気分で一日が終われるシアワセ 掛川〜浜松 29km

天竜川にかかる橋の上にある標識。 名古屋の文字も見える。 このあたりから静岡県と愛知県の グラデーションが始まるのだろうか。

風と寒さと雨、修行。

今日も寒い。
12月に入ってからは
朝方の冷え込みが
特に厳しくなっている。

風がきついから
テントの撤収にてこずる。

幸い雨はまだ降っていない。
少々雑でも構わない。
今晩はホテル泊だから
そこできれいに畳めばいい。
とにかくリヤカーに押し込んで
雨が落ちてくる前に撤収完了。

歩き始めると
寒さは和らぐが、
風は止んではくれない。

トラックが勢いよく通り過ぎるたび
恐怖の風圧を感じながら歩く。
ただただ歩く。
休憩は取らない。
体が冷えてしまうから。
ずっと歩く。

心持ちは俗まみれだけど
装束を身にまとっていれば
まるで行者だ。

 

これまで静岡県が目的地になり得る距離は

東京よりも遠かった。

当初、今日は磐田まで歩こうかと思っていたが、
静岡に入ってから勉強をした。

地図上で文字が大きい都市以外、
駅前があまりにぎやかでないことを。

磐田駅前も例外ではないだろう。
それなら今日を歩く日にして
浜松まで行ってしまおう。

そうすれば明日は朝から
浜松駅前で販売ができる。
しかも土曜日とあれば人も多いはずだ。

ノボリが空っ風にあそばれて
狂ったように暴れている。

天竜川に到着する。
長野県の諏訪湖を源流として
ここ遠州灘まで200km以上の
旅をする川だ。

遠州のなんとかが、
川からの風と相まって勢いがつく。
リヤカーが風を受けて流される。
箱物は四方から風を受けるから
風の方向に関係がない。
そして、冷たい雨が顔に刺さる。
帽子が飛ばされないように
レインジャケットのフードを
その上からかぶり細く締める。

晴れていれば
想像力にのって川を遡上してみたかった。

しかし、そんな気分にもなるはずもない。
この風から逃れるため、
この橋を少しでも早く通過するために
ただ、自分に言い聞かす。
明日の浜松は期待できるから頑張れと。

いままで浜松には行ったことはない。
新幹線や東名高速で
通過したことはあるけれど
降りたことがない。
静岡には新幹線の駅は多いが
降りたことがない街ばかりだった。

距離は東京のほうが遠いのに
目的地になり得る距離は
東京よりも札幌よりも遠かった。

だけど、今回歩いてみて
静岡はいい所だと感じている。
気候はおだやか。
人もおだやかで話しやすい。
出会った人でいえば
熱い気持ちを感じる人が何人もいた。
いいところだ。

東海道新幹線のぞみが停車しないからこそ
まだまだ知らない街がたくさんある。
歩く旅の醍醐味を
静岡では感じさせてもらっている。

 

シアワセのため息

浜松駅につく。
うわさ通り駅前はにぎやかだ。

リヤカーを置き、
明日販売をする場所を探す。

人の流れを見ながら、
敷地をやんわりと示す
床のタイルの色やテクスチャーを
見極めながら、注意されずに
人の目を集められるポイントを探る。

それにしても、風が厳しい。
駅前のビルを通りぬけるビル風と
遠州の空っ風がタッグを組んで
吹き荒れる。

明日はましになってくれよ!と
期待をしながら今日の宿泊先
アパホテルに向かった。

昨日予約したときに
リヤカーを置く場所も連絡して
確保してもらっている。
ありがたい。

ホテル前で荷物を下ろす。
テントも寝袋もだ。

部屋に入ると、まずテントと寝袋を広げる。
少しでも立体的になるように
ロープを使って干す。

その後、ホテル内のコインランドリーへ。
たまった洗濯物を洗う。
その後にお風呂に入ったが
これがたまらなかった。
体がじわーと温まってくると
気分もじわーっと緩んでくるのがわかる。
「ええわ〜」とシアワセのため息がもれる。

緩んでしまった気分のあとに
やってくるのは睡魔。

晩御飯を食べていないが、
眠くて仕方がない。

ベッドにダイブした状態で
お腹すいた、お腹すいたと
声にならない声を出してみるが
睡魔には勝てない。

体力を使い果たして
ぶっ倒れるように寝るときの快感は
いろいろある快感のなかでも
ぼくのなかでは
かなり上位にランクされる。

この一瞬のために歩いているわけじゃないけど
シアワセな気分で一日が終われるシアワセを
歩く旅では感じさせてもらっている。




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