19.今日は二人でリヤカーメン 藤枝〜掛川 30km

ご厚意に甘えつくした2日間

室内で目覚める朝は静かだ。
布切れ一枚で仕切られているテントは
ナイフを力強く振り下ろせば
空間の境界がなくなるほど脆いものだ。
開放的であるけれど、
やはりどこか緊張感がある。

2日間も静かに休めると
気分も体も絶好調だ。

これで当分また歩きたいという気持ちが
ココロのタンクに注入された。
休むことは大切だ。

朝食をいただいた後、
お母さんが近くのパン屋さんで
昼食用に二人分のパンを
買ってきてくださった。
最後の最後までやさしい。
ありがたい気持ちでいっぱい。

二人分というのは、
今日一緒に歩いてくださる
川村さんの分もということだ。
なんと厚かましい。

これが旅でなければ、
シバかれそうなほど、
ご厚意に甘えさせていただいた。

玄関の外まで見送りに出てきていただき
ココロからのおもてなしに
感謝の気持ちを伝えてお家を後にした。

 

58歳にして欧州で働く夢を叶えた

川村さんと合流

川村さんと8時に合流し、
記念撮影をしてから出発!

今日は23キロ先の菊川駅を目指す。

東海道なら島田宿を目指すことになるが
そちらには行かない。

明日、掛川駅前になるべく早く着き
販売時間を長めに取りたかったので
今日はなるべく最短ルートを歩くことにしていた。

毎度のことながら
二人で歩くと話しができて楽しい。
しかも、川村さんはリヤカーを
途中で引いてくださるとのこと。

町の景色としてリヤカーが通り過ぎていく姿が
どんなものなのか、見ることができる。

そんな時間はすぐにやってきた。
広い道は横に並び、狭い道は先に歩いていただく。

歩くたびにリヤカーが上下に揺れる。
後ろから見ると思った以上に存在感がある。
そして、ノボリのインパクトはなかなかのもの。

すれ違う人も何事と見ているのがよくわかる。
どこに目線がいくのかも見ていて楽しい。

これは何?という疑問に対する答えが
さっと見えてこないから、余計に凝視しているのではないか
という仮説も浮かんできたりする。

やはり客観的にみることは重要だ。

大井川を渡る。
この川は暴れ川として有名だ。
洪水が起きるたびに川の流れが変わるほど
大暴れするらしい。

諸事情により明治になるまで
橋はかけられなかった。
渡し舟すら認められなかったそうだ。

有力な外様大名からの江戸防衛の要衝という説もあれば
渡しに従事する人が当時1,000人以上いたため、
既得権益を死守するため橋を作らせなかった。
当時の土木技術では暴れ川に橋をかけることは
技術的に難しかった。
いろんな説がインターネットで調べるとでてくる。

橋が架けられたのは明治になってから。
その橋を蓬莱橋という。
全長897mと木造橋としては現在も世界一長い。

歩行者と自転車のみが通行できるめずらしい木賃橋。
暴れ川の猛威は凄まじく、台風などで川が暴れだすと
橋脚が流されるなどの被害が何度となくあったそうだ。

そんな歴史的に賑やかだった川にかかる
コンクリート製の橋を渡る。

暴れ川の大井川を渡る
暴れ川も晴天下では機嫌がいいようだ。
昨日後輩のお父さんが連れて行ってくださった蓬莱橋。強烈に寒かったがいい夕暮れでした。
すれ違うときに思わず振り返る人。初めて見たらぼくでも振り返る。いや声をかけてしまうだろうなぁ。

橋を渡ったところから、牧之原台地という高台に向けて
急な坂を一気にのぼる。
一瞬箱根を思い出すような坂だったが
今日は川村さんが一緒なので
サポートがあるから安心だ。

上がってくると、そこには茶畑が広がっていた。

静岡といえばお茶。
日本のお茶の40%以上が静岡県で生産されている。
ここ牧之原台地も主要産地のひとつだそうだ。

今は12月。お茶はシーズンオフに入り
これからの冬の時期にエネルギーを蓄える。
春が来れば芽を出し、5月になれば茶摘みが始まる。

冬眠に入り始めた茶畑のなかを延々と歩く。

川村さんと出会ったのは昨日。
そして、今日一緒に歩いていただいている。

川村さんは58歳で日本を飛び出し
フランスに渡られた。
日本では大手企業の研究職をされていたが、
若い頃から海外で働きたいという夢を
持ち続けていたそうだ。

子供さんが独立されたのを機に
その夢を叶えるためだ。

フランスでは、前職のつながりから
大学で勤務をされることに。
そこで3年間教鞭をとりドイツへ。
5年間大手製薬会社で研究者として働き
2週間前に日本に戻ってこられた。

フランス語、ドイツ語が最初から
できたわけではなかったそうだ。
現地で語学教室に通って、
勉強されたという
びっくりするほどのタフさ。

働きながら、休日は欧州を旅行してまわり
8年間を満喫されたようだ。

こういう話しを聞くと、
後輩としては力になる。
年齢じゃない。ということを
証明してもらっている。

そんな話しを聞いていたもんだから
気づいたら目的地の菊川駅に到着していた。

おつかれさまです!
今日はありがとうございました!

というものの駅前には人がほとんどいない。
まだ14時だ。
どうしようかと思っていたら
掛川まで行きますか?と川村さん。

マジですか!と思ったが
今日中に掛川に入れば明日は朝から
掛川駅前で販売ができる。

川村さんも付き合ってくださるので
これは行くしかない!と目指すことになった。

喫茶店などで2人で話しをしていても
2〜3時間もあればネタは尽きてしまう。
しかし、歩いていると、
血流がいいからか、いろんなことが浮かんでくる。

歩きながら話す。

アップル創業者のスティーブジョブズも
散歩をしながらミーティングをしていたと
本で読んだことがある。

歩くことと思考は
きっといい関係にあるのだろう。

掛川までの7キロはそれこそ
あっという間だった。
16時ごろに駅についた。

今日1日お世話になった川村さんは
ここから電車で藤枝に戻られる。

いつも思うが別れるのはちょっとさみしいものだ。
出会いがあれば別れるときがくる。
旅はその繰り返しで前へと進んで行く。

川村さんリヤカーマンに。ずいぶん長い距離を手伝っていただきました。左奥には富士山。
牧之原大地から。見納めになるであろう富士山。ここは遠州。静岡も西部に入ってきたということか。
お茶畑が広がっている。綺麗に刈り込まれて、さすが日本!という景色。
一気に歩いてきてしまった掛川駅。

 

夜の公園に近づく足音

川村さんと別れた後、
駅の反対側にまわってみる。
明日販売する場所を探すためだ。

通行人の動線を考えてある程度目星をつけた。

今日は30キロ以上歩いた。
さっさとテントを張る公園を探して
体を休めることにする。

スーパーでお惣菜とビールを買い込んで
テントのなかで食べる。

よく歩いたから何でも美味い!
今日あったことを思い出しながら
飲むビールも美味い!

いい気分になっているところへ、
がさごそと足音が。
トイレを使いにきた人かと思って
耳をそばだてていたら、
テントに近づいてくるではないか。

来たか。と身構えたとき、
「うえやまさ〜ん 小松です〜」との声。

テントのチャックをビーっと開けると
そこには大きな体の小松さんが。

小松さんは、
森源太やおかんというミュージシャンつながりで
掛川在住。

「FBを読んで多分ここかなと思ってきました」と
甘酒やらお菓子やら、カイロなどなど
温かい差し入れを持って、会社帰りに
やってきてくれたのだ。

寒いなかわざわざやってきてくれたことに感謝。
明日の夜、飲みにいく約束をして別れたが
これは日本の旅ならではかもしれない。

旅というと海外に目が向いてしまうが
日本もなかなかいいよなぁと
あらためて思う1日だった。



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