「ザンビアで保健医療活動を行う
ロシナンテス同行撮影」旅の記録

旅する写真家 上山敦司

川原代表の著書「行くぞ!ロシナンテス」を読んで、心が震えました。
安定した職を捨て、医者としての使命を貫いた姿は感動的でした。いつか、この人のために自分ができることをしてみたい。コロナのパンデミックが終息すれば、自分の写真家としての旅をロシナンテス活動記録の旅にして、広報のお手伝いができるかもしれない。その内容を企画書にまとめて、勝手に送ったところから、始まりました。

写真展&講演会は終了しました。

写真展 無料

8/9(水)〜 8/15(火)

時間:10:00 〜 18:00
場所:ATC ITM棟10F ODP デザインギャラリー
大阪市住之江区南港北2-1-10

ロシナンテス川原代表講演会 無料

8/10(木)

講演:18:30 〜 19:45(無料)
懇親会:20:00 〜 20:50(有料)
場所:写真展会場内
※懇親会2,000円(軽食&2024カレンダー:1,500円付)
講演会は応募者優先です。応募フォームはこちら
定員になり次第締切らせていただきます。

認定NPO法人ロシナンテスとは

上記はロシナンテスホームページのスクリーンショット

川原尚行代表プロフィール
九州大学大学院医学系研究科修了後、外務省へ入省。医務官として赴任したスーダンで、目の前で苦しむ現地の人々を助けたい想いから外務省を辞職し単身で医療活動を開始。

2006年高校時代のラグビー仲間を中心に特定非営利活動法人ロシナンテスを設立。

2019年からはザンビアでも活動を開始し、両国で活動をしていたが、現在スーダンは内戦状態のため、2023年4月に国外避難。

ザンビアでの活動は引き続き継続しているが、状況が落ち着けばスーダンに戻り、活動を再開する予定。

面積:日本の約2倍
周囲:8カ国に囲まれた国
標高:平均 約1,100m
人口:約2,000万人(73部族)
言語:英語・部族語
旧宗主国:英国
独立:1964年10月24日
   東京五輪閉会式の日
首都:ルサカ
産業:銅、コバルト、農業

時差:日本より7時間おくれ

活動地:中央州チサンバ郡ムワプラ

1. 出産待機&分娩施設「マザーシェルター」の運営サポート
2. ヘルスポスト(診療所)における医療従事者の拡充
3. 妊婦健診での超音波エコーの導入と普及
4. ヘルスボランティア「SMAG」の育成
5.富士フイルムのポータブルX線装置のテスト運用​

ムワプラ ヘルスポスト(診療所)

約7,000人の地域に唯一の医療施設

約7,000が暮らす中央州チサンバ郡ムワプラ。そこで唯一の医療施設として機能しているのが、このヘルスポスト。

准医師、看護師、助産師そしてアシスタントのヘルスワーカーがいますが、医師はいません。少ない人数で回しているため、看護師も、助産師も交代で診察を行っています。

医療機器は、聴診器、体温計と血圧計がある程度。

マラリアが多く発生しているため、検査キットがあり、陽性だと薬を処方されて帰っていきます。

マザーシェルター(ヘルスポストの隣)

ロシナンテスが建設したマザーシェルター

ヘルスポストに助産師はいますが、宿泊施設も電気もありません。ザンビアは、医療施設での分娩を推奨していますが、遠い人だと歩いて3時間の距離を産気づいてからやってくるのは現実的ではありません。

そのため、ロシナンテスが安心して子どもを産めるようにと、ヘルスポストの隣に、宿泊施設と電気、温水も使えるマザーシェルターを建設。

ヘルスポストのスタッフが兼任で従事していますが、妊婦健診、乳児検診などに加えて、ヘルスボランティアの教育にも力を入れていて、保健の力の底上げを目指して、仕組みの向上にも努めていました。

スーダン人医師の思いをロシナンテスのネットワークで実現した簡易型「超音波エコー」

スーダン人の医師から、高精度なものより、初期診断ができて、安価で導入が簡単な超音波エコーがあれば、と相談受けた川原代表。日本国内のネットワークを駆使して、沖縄の医療機器メーカーにお願いし実現に至ったそうです。

患部に当てるプローブ(センサー)をUSBに接続し、インストールしたアプリを立ち上げれば、通常のノートパソコンで使用が可能。

受信する妊婦が増えたほか、パートナー同伴で診察にくるカップルも増加していることは、胎児のチェック以外にも、親となる2人の意識にも良い影響が期待できそう。

マザーシェルター滞在時には、日本の医学生や国連職員も見学に来られ、現地看護師の指導を受けながら医学生もオペレーションを体験。日本とザンビアの医療従事者が教え合う場としての活用も期待できるのではとの感想を持ちました。

国際保健のレジェンド、喜多先生がザンビアの診療所を視察に

80歳を超えても世界の保健医療の分野で精力的に活動を続ける喜多先生。川原代表と理事の高山先生からの熱いラブコールで、ジュネーブでの国際会議の後、直接ザンビアに来られました。ロシナンテスが活動するムワプラの診療所やマザーシェルターを2日にわたって視察。現地の医療従事者や人々に直接ヒアリングを行い、カルテや記録簿、薬の保管状況までくまなくチェックされる様子は、長年にわたって国際保健医療の現場で活動されてきた視点が感じられるものでした。
ザンビアに入る前には、聞かされていなかったことであり、自分にとっても貴重なセレンディピティでした。

雨季には道路が寸断されるような地域への巡回診療を続ける「ザンビアの辺境医療を支援する会(ORMZ)」

ザンビアで活動する日本のNGOはロシナンテス以外にもあります。そのうちの一つ「ザンビアの辺地医療を支援する会(ORMZ)」の活動にも、1日だけ同行取材ができました。

雨季になると、水で道路が寸断され引き返すこともしばしば。車がスタックして抜け出せなることも少なくないため、必ず車2台で移動するそうです。

朝6時に出発し、昼前に現地に到着。昼食をとることもなく、すぐに診察の準備を開始。准医師2名が、夕方までに100名以上を診察。乳児健診やワクチン接種も同時に行われていました。

夕方、現地の人が作ってくれた食事をかき込んで帰路へ。沼地や大きな水溜まりなどを慎重に進み、ルサカについたのは午後10時を過ぎていました。

旅する写真家として、自分の夢を誰かの夢に関わらせることができれば、もっと面白くなる

旅する写真家として、一年に一度、海外に旅に出ることを50歳からしてきました。しかし、コロナの影響で、2019年以降海外に行けなくなった時、自分の旅を見直しました。一つの国をじっくり自転車や徒歩で巡る旅もいいが、海外で活躍する誰かのために、自分のスキルを活かすことができないか。旅として、それができれば、さらに面白くなるのではないかと考えました。

川原代表の著書を読んで心が震え、活動のお役に立てる旅をしようと決意

川原代表の著書「行くぞ!ロシナンテス」を読んで、心が震えました。安定した職を捨て、医者としての使命を貫いた姿は感動的でした。いつか、この人のために自分ができることをしてみたい。コロナのパンデミックが終息すれば、自分の写真家としての旅をロシナンテス活動記録の旅にして、広報のお手伝いができるかもしれない。その内容を企画書にまとめて、勝手に送ったところから、始まりました。

スーダンはビザや規制が厳しいためNG、ザンビアなら喜んでと渡航が決定

川原さんが長年活動されてきたスーダンが希望でした。しかし、スーダンはジャーナリストビザを取るのが難しい、入国できてもさまざまな制限があるなど、スーダンでの受け入れは難しいとのことでした。一方ザンビアなら情勢も安定しているので、ウエルカムだと回答をいただき、渡航が決定しました。

旅の費用は自己負担。2024カレンダー販売で一部を回収予定

旅の資金は自己負担です。若い頃にアフリカに行ったことがありましたが、その時はワクチンなど目もくれませんでした。しかし、50代になるとそのあたりも心配です。ワクチンをバンバン打っていると、びっくりするくらい費用がかさみ、先生に思わず「ジェネリックはありませんか?」と聞いてしまいました。

いろんな意味でアフリカは遠い国。

写真展では、2024カレンダーを販売予定。かかった費用の一部でも回収できるようにして、この活動をライフワークとして持続可能なものにしていきたいと考えています。

50歳からの人生を夢だった「旅する写真家」として活動すると決意

これまで、コピーライター、ロケーションコーディネーターと、自分が好きなことを仕事にしてきました。いずれも充実した時間でしたが、40半ばの時にふと、今の仕事は好きだけど、人生にあと1回しかチャンスがないとしたら、何がしたいか。答えは、大学時代から始まった旅をして写真を撮ること。家族も周りも大反対でしたが、決意は固まっていきました。

覚悟を決めるため、最初の旅は自分のお金でなく、皆さんから応援してもらって旅に出ると決め、1冊2,000円のカレンダーを500部制作。

しかし、安くないカレンダーを買ってくれる友だちが500人もいないことに程なく気づき、意を決して路上販売することに。その様子をSNSにアップしていると、買いに来てくれる人、販売を手伝ってくれる人が増え、涙の完売。

売上金は、ATMでなく腹巻きに入れて、旅に出ました。

プロフィール

1967年
京都府舞鶴市生まれ

1990年
バックパッカーとして、一眼カメラを手に、シルクロードに一人旅に出る。
汽車、バス、トラックなど陸路で中国〜パキスタン〜イラン〜トルコ(イスタンブール)まで2ヶ月かけて旅をした。
これがきっかけで、旅と旅先での写真にはまる。

1991年
香川大学経済学部卒業

1991年
(株)大伸社マーケティング部にコピーライターとして入社。
昼夜、曜日関係なく働き、有給休暇を使って旅をした。

2001年
コピーライターとして独立するため退職するも、声かけられ、ロケーションサービス キーゾーンL.D.B.の設立に参加。
カメラマンからの依頼によるロケ場所探しや撮影現場でのカメラワークのサポートが面白く、天職かもと仕事に没頭。

2015年
数十人のプロカメラマンをサポートするなかで、カメラに必要なスキルがあがってきたこと、子どもや家族の撮影を依頼されることが増えてきたことが引きがねとなり、学生時代からの夢であった旅する写真家を目指してキーゾーンL.D.B.を退く。

2017年
旅する写真家&フリーランスのカメラマンとして活動を開始。
50歳の冒険のスタートとして、ヨーロッパのサンチアゴ巡礼路1,700kmを徒歩で旅を敢行
帰国後、カレンダーを制作。東京日本橋〜大阪駅を、リヤカーにカレンダーを積んで1ヶ月間、行商の旅をする

2018年
ベトナム縦断ママチャリ2,000kmの旅

2019年
スリランカ折り畳み自転車2,400kmの旅

2020年
写真展「祈り」を開催
新型コロナウイルスの影響で、写真撮影の仕事が激減。
経済的な立て直しと旅の仕方を再考

2023年
ザンビアで活動するロシナンテス行取材の旅
写真展「医とこころと人」開催(予定)

サンチアゴ巡礼路1,700km
フランス/ルピュイ〜
スペイン/サテンティアゴ・デ・コンポステーラ

フランスの800kmは、山と小さな田舎の村をたどりながら、中世の雰囲気を味わいながら旅でした。

スペインに入ると一気に巡礼者が増えて、イベントのように。26カ国の人たちと話したり、一緒に歩いたり、ご飯を食べて、ゴールのサンティアゴ・デ・コンポステーラを目指しました。

到着後、大西洋を望むフィニステーラまでさらに100kmを歩き旅は終了しました。

ベトナム縦断ママチャリ2,000kmの旅
ホーチミン〜ハノイ、ハザン

南のホーチミンでママチャリを買い、2,000km離れた北部のハノイを目指しました。バスや列車では行けないところへ自転車は行けるため、庶民の暮らしを見てまわりながら北上を続けました。

ただ、ハノイについても旅のスイッチがおりず、自転車からバイクに乗り換えて、中国との国境が迫る山岳地帯へ。そこで暮らす少数民族の人々との出会いに満足して、旅は終わりました。

スリランカ折り畳み自転車2,400kmの旅

スリランカは、北海道の8割くらいの面積の島国です。この国は仏教国の印象が強いですが、ヒンズー教、イスラム教、キリスト教を信じる人がいて、複雑な歴史的背景がありました。

そこにとても興味があって、自転車で町をくまなく周り、いろんなお寺や教会を訪問。普段見ることのできない各宗教の信者の祈りを見ることができ、教義は違えど祈る姿の美しさに惹かれた旅でした。

帰国後「祈り」をテーマに写真展を開催しました。

写真展 2023年6月17日
ロシナンテス年次報告会にて 北九州市

ロシナンテスの年次報告会の会場の半分を使わせていただき、写真パネルを20枚設置。ザンビアで撮った写真をロシナンテスの支援者の方々に見ていただくことができ、新たな支援の輪が広がっていけばありがたいです。

当日は、TV4局が取材に来られていました。

報告会 2023年7月1日
大阪府茨木市

旅を終えて帰ってくると、仲間が毎回ここで報告会を開いてくれます。茨木の人たちだけでなく、仕事仲間や、出身の舞鶴の友だちも駆けつけてくれて、楽しい報告会になりました。

パッケージデザイン会社「こふれ」さんが、牛乳パックの再生ダンボールで写真パネルを作成

通常のダンボールよりも遥かに堅くて丈夫な牛乳パックの再生ダンボール(ミルダン)を使用した、子どもの遊具やオブジェづくりで定評のある「(株)こふれ」さん。ザンビアの写真パネルの制作に全面協力していただき、パネル自体にも、ものづくりの意味を持たせることができました。

株式会社こふれ ホームページ

写真展 無料

8/9(水)〜 8/15(火)

時間:10:00 〜 18:00
場所:ATC ITM棟10F ODP デザインギャラリー
大阪市住之江区南港北2-1-10

ロシナンテス川原代表講演会 無料

8/10(木)

講演:18:30 〜 19:45(無料)
懇親会:20:00 〜 20:50(有料)
場所:写真展会場内
※懇親会2,000円(軽食&2024カレンダー:1,500円付)
講演会は応募者優先です。応募フォームはこちら
定員になり次第締切らせていただきます。

主催:ココロハチマキ国際NGOサポート委員会
共催:咲洲プレ万博実行委員会
協力:認定NPO法人ロシナンテス株式会社こふれ