2018.7.18
ホーチミンについて3日目。
どこがどこだかわからないまま
とにかく歩き回っている。
とは言っても、日本とはずいぶん勝手が違う。
ご存知の通り、バイクの数が半端ではない。
うじゃうじゃいる。
心斎橋筋商店街のなかで全員バイクに乗っている。
そんな混み具合。
それがいろんな方向からやってくるから
目があと6つくらい欲しい。
交差点に信号はない。あっても守らない人もいる。
信号なんて関係ないよ〜と四方からなだれ込み
四方からの波しぶきが交差点のまんなかで
バッシャーンとぶつかり、幾重にも重なるクラクションが
仮想の世界に誘ってくれそうになる。
道路がいっぱいなら、歩道も走る。
逆走もまぁええやん、的なノリで襲いかかってくる。
日本ならそこらじゅうで喧嘩です。間違いない。
という状況で、歩行者は道路を渡るのだ。
これができないと、自分の行きたい方向へは
一生かかってもいけない。
新たな一歩を踏み出せば、
世界は変わるとかいったもんだが、
一歩だとぶつかって、チーン!the end。
一歩を踏み出したら最後。後戻りはできない。
向こう岸までまで渡りきらないとこの先はないと思え!
そんな決死の覚悟のもと渡っていくのだ。
道路を渡る人を観察した。
当たるも八卦当たらぬも八卦。
轢かれたらしゃーない。
そんな気持ちで飛び込んでいくようにも見える。
しかし、なかには、前だけを見ながら
わざわざ(かどうかは知らないけど)
悠然と縦横にわたっていく肝試しの横綱のような
かっこいい人もいるのだ。
小心者のぼくは
お守りを握りしめるようにカメラを握りながら
意を決してやってみた。
ビビっている自分の姿がイヤで
同じ場所を何度も何度も渡った。
見ていた人は、あいつはいったい何をしているんだ?
と思われたかもしれないが(かどうかは知らないけど)
いろんなパターンを繰り返す前に、
同じ場所で基本を作ってみた。
そこでわかったことがある。
人を信じろ。躊躇するな。存在感を示せ。
この3つが基本の三原則だ。
きっとバイクや車はよけてくれると信じて
怖がらず、ちょっと待ってくれ!の合図を
手をビシッと伸ばし、筋が浮き出るくらいに
力をこめる。そして、胸を張って渡る。
ビビった姿を見破られたら危険だ。
ぼくはだいぶ落ち着いてできるようになった。
これで行きたいところにいける。
観光名所にはまったく行っていないけど
市場や裏路地、いろんなところを回って回って回っている。
スコールもある、きつい日差しもあるけど、
カメラを首からぶら下げてホーチミンという
街の雰囲気を体で堪能している。