モンボネ〜モニストルダリエ 14km
Montbonnet〜Monistrol-d’Allier 14km

 

6:00前に目が覚めた。
途中何度も起きたが、だるさはない。
ただ、寒い。
ダウンジャケットがあって助かった。
モンベルのダウンは200gと軽いから、
邪魔にならないし暖かい。快適だ。

外を見ると、町の通りには霧がかかっていた。
青い町並み。朝を迎える色。
まだ誰も起きていないのが心地いい。
外に行こうと玄関に向かうと
小麦粉の袋のようなものに
パンが無造作に入れられて
届けられていた。
まるで新聞のような感覚で。
これがフランスなんだ。そう思った。

朝起きるとGITE(宿)の玄関にバゲットが届けられていた。
早朝、気温は1度。寒い。

 

8:00。
昨晩、何かとお世話になった同部屋の人たちと
朝食を食べて一足先に出発する。

少し英語が話せるベルギー人のおじさんに
(ぼくもおじさんだけど)挨拶をし
もう会わないだろうからと写真を撮らせてもらう。

よく笑い、よくプルルルと言いながら
唇をふるわせて皆を笑わせる。気さくで陽気だ。
そんなおじさんだから、撮っておきたかった。
最後は握手。軽くハグをして別れた。

出口では気さくな宿のオーナーが
見送ってくれる。

言葉は90%以上わからなかったけど、
若いも年寄りも男も女も関係なくよく喋り笑う。
雰囲気がとてもよくて、いい宿だった。

宿を出て左に曲がると、
そこからは畑や牧草地が広がっている。
というより、畑や牧草地のなかに
小さな集落があるといったほうが近いのかもしれない。

霧の中を歩いていく。この静けさがたまらない。

霧はまだ晴れずに漂っている。
標高が高いのもあるのだろう。
幻想的な風景が広がる。

そこへゆっくりと迷い込んでいくようだ。
一人で山を歩いているとき、
誰かの声や気配が欲しいときと
そうでない時がある。
今は後者だ。

誰もここに来てほしくない。
この空気感を独り占めしていたい。

知らないうちに、カメラや荷物に露がつき、
しっとりとしている。

フランス人のベン。2ヶ月でサンティアゴ・デ・コンポステーラを目指すそうだ。

バンダナでカメラを覆う。
写真を撮りながら、ゆっくりと歩いていると
背後に気配がした。

昨晩の宿で一緒だった
25歳のフランス人の男性だ。
宿では英語が全くわからないようだったが、
二人で歩いている英語を少し話す。

聞いても覚えられないだろうと思ったが
名前を聞いてみた。

ベン!
それならすぐ覚えられる。
それから、しばらく彼と歩いた。

彼の最終ゴールはぼくと同じ
サンチアゴ・デ・コンポステーラだ。
急に親近感が湧いたが、
彼は2ヶ月でゴールする予定らしい。
ぼくよりも1ヶ月早い。

平均1日:30km、毎日歩く計算だ。
荷物は見た目で7〜8キロだろうか。

彼は予算が乏しく、
昨日もみんなが夕食を食べている同じテーブルで
自前の米を炊き、そのごはんだけを食べていた。

それを見たオーナーがぼくらが食べている
おかずやパン、ワインも食べていいよと差し出すと
うれしそうだった。

今日の目的地もおのずと変わるから、
彼には途中で先にいってもらった。
もう会わないだろうと思って後ろ姿を見送ったが
ところどころで寄り道をしているみたいだ。
その度に後ろからやってきて、ぼくを抜いていく。
休憩も取らず、歩く、写真を撮る、歩く・・・を
繰り返す日本人とはえらい違いだ。

標高の高いところを抜けると
眼下に村が山の斜面にパラパラと広がっている。
ここがぼくの今日のゴール、モニストルダリエ。

13キロ先のソーギュまで
行きたい気持ちが出てくる。
しかし、今回は歩いて終わりの旅ではない。
そのことを肝に銘じ、
1日のペースがつかめるまでは
無理をせずにいこう。

そう気持ちをなだめて
宿の近くのレストランに入る。
今日最初の休憩が宿の目と鼻の先。
気温は5度くらいだったがテラス席に座った。
サラダとパンを頼み佇んでいると、
向こうから巡礼者が一人歩いてきた。

カメラを撮りながら歩いてくる男性を撮っていると、
なんと彼は昨晩の宿でよくしてくれた
ベルギー人のおじさんだった。

オレは今日、
そこに見えるリコシェに泊まるんだ。
リコシェ?それ同じ宿やん!
え〜みたいなオチで、
今隣で寝ているおじさんの横で
ブログを書いている。

会う人とは会うものだ。

 

 

<MOVIE>(撮りっぱなし。編集なしです)

モンボネ〜サン・プリヴァ・ダリエ 森の中

サン・プリヴァ・ダリエの町並み

サン・プリヴァ・ダリエ〜モニストル・ダリエ 森の中を歩く巡礼者

モニストル・ダリエの町並み

4件のフィードバック

  1. Gite d’etape Au Ricochet のオスピタレーラは美人だったでしょう! ここの雰囲気も素敵ですね。朝の雰囲気は独り占めしたいので、少しだけ早く歩き出す味を覚えましたね。

    1. オスピタレーラはとても涼しげで優しい方ですね。若い看護師カップルと昨日と同じ宿のベルギー人とオスピタレーラで夕食の時ずっと話をしていました
      ぼくには全くわかりませんでしたが、おそらくパリジャンのこと。細川さんからいただいたフランス語会話集を見せながら、ぼくも参戦していました。
      いただいた情報、何から何まで大活躍です!ありがとうございます!

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