20インチの折りたたみ自転車と列車でスリランカを巡った45日

<ダンブッラ>

ポロンナルワを出発し、一昨日来た道を戻る。シーギリヤロックに登るときに宿泊していたハバラナを通り過ぎ、ダンブッラへ向かう。この道は古都キャンディへと続く道。じわじわと少しずつ高度をあげながら70kmほど走ったところでダンブッラに到着した。

ダンブッラといえば、世界遺産の黄金寺院。大きな街だろうと想像していたが、車だと気付かず通り過ぎてしまうのではないかと思うくらい小さな町だった。昨晩、booking.comで予約したゲストハウスへ向かう。宿についたのが13時ごろ。シャワー&洗濯の後、早速山の上にある黄金寺院を目指す。黄金の仏像が屋根の上に鎮座する博物館は、パラダイスっぽくて全く興味がなかったので立ち寄らず、向かって左側の階段から黄金寺院を目指して階段を上る。そこそこ急な階段を上っていったところで、チケットを持っていないのなら、買いに行くようにと係りの人に誘導され、別の方角の階段を降りていった。誘導されるままゲートをくぐると普通の道に出てしまったが、他のツーリストが前を歩いていたから間違いないだろうとその道を歩く。はめられたか?そんなことを思いながら400mほど歩くと、チケット窓口に到着した。どうやら黄金の仏像があった博物館辺りにチケットセンターがあったらしく、そこで買えたそうだ。こちらは車でやってきた人用の登り口。どこか釈然としなかったが、気をとりなおしてまた別の階段を上っていった。小さな猿がいる階段を15分ほど上っていくと、黄金寺院のある場所に着いた。標高180mほどだが、そこからの眺めは素晴らしい。近くの大きな岩を登ると、遠くにシーギリヤロックも見える。先日まで自分がいた場所があんなに遠くに見えるのだ。遠くにあるその風景は過去の自分を見るようだ。そこにすでにぼくはいない。写真のような風景とでもいうのだろうか。不思議な感覚を味わいつつ、あそこにはもう戻らないのだと思うと、少しさみしい気もする。これで見納めかもしれない。静かに手を合わして、その岩から降りた。

黄金寺院に続くゲートをくぐり敷地に入っていくと、そこには岩の下に長く伸びた回廊の壁が見えた。ガイドブックなどの写真で見て想像していたよりも大きい。ダンブッラの黄金寺院は、金閣寺のように煌びやかなものではなく、巨大な岩の天然洞窟を利用して作られた寺院。現在は5つの石窟があるが、ゲートを入った手前から年代が古く、最古の石窟は2,100年前。数々の仏像や涅槃像が安置されているほか、壁や天井にびっしりと壁画が描かれている。第一石窟には、壁と同じ自然石で彫られた涅槃像がある。昔の石工たちがここに通いながら掘り上げたのだろうか。数ある仏像も、この場所で彫られたのだろうか。入口の壁は後から付けられたものかもしれないが、外で彫ったものを運びこんだのか、それとも石窟から石を切り出して彫ったのだろうか。ここが山の上の洞窟であることが想像力を広げていく。

信仰とはこれほどまでに強いものなのか。仏像や壁画の美しさ以上に過去の人々のポテンシャルに興味が向かう場所だった。

ダンブッラの石窟寺院は、1991年世界遺産に登録されている。

ここが石窟寺院の登り口。残念ながらこのセンスにはついていけない
巨石の下には横長に寺院が並ぶ
階段を上るとまっすぐに回廊が伸びている
第1の石窟:聖王の石窟。中央に涅槃像が横たわる
第2の石窟:マハラジャの石窟。この石窟が一番大きい
天井は壁画で埋め尽くされている

第3の石窟:新僧院
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