ニンビンという町にいる。
今晩で3泊目。

この町にはタムコックとチャンアンという
世界自然遺産がある。
石灰岩が水で侵食されたカルスト地形。
ペットボトルみたいな形の山がポコポコある感じ。
山と山の間を抜ける川のようなところもあれば、
山が侵食され洞窟となっているところもある。
そこを手漕ぎ、足漕ぎの舟でめぐるクルーズが有名。

乗ってみるのもいいけど、
まずは乗っている人たちをとってみたいと
思っていた。
しかし、雨続きでなかなか思うようにいかなくて。
と思っていたら、宿のオーナーから
台風が来ているよ〜との情報。
ネットで確認すると明日ハノイやその周辺に上陸
となっている。
外では、だんだんと風がきつくなってきている。
明日出発のつもりだったが、明日の夜も
この宿にお世話になることに。

雨のなか部屋にずっといるわけにもいかず、
昨日はタムコックのクルーズしているシーンを
見にいってきた。

しかし、なかなか自分が思い描くアングルがない。
足漕ぎボートでクルーズするボートが
並んで走る風景を少し上から見たかったのだが
うまくいかない。
岩を登ったり、沼地に入りこんでしまったりと
悪戦苦闘していた。

鋭角に尖った岩がごろごろしているところに登り
不安定な足元でバランスを取りながら撮影していると
「ヤマーーー!!!!!!」
という声が谷に響きわたった。

その声の大きさに岩から落ちそうになりながら
声の方角をみると、フォンニャケバンの洞窟1泊2日ツアーで
一緒だったマテオとバレリアだった。
舟でクルーズしているところ、へんな奴が岩の上から
写真を撮っているのを見つけたのが
ぼくだったというわけだ。

彼らは出会った町から南へ行き
中部のホイアンという町にいっていた。
そのまま南に下っていくものだと思っていたが、
再び北上してきて、ここで、こんな再会になるとは。

昨年のカミーノでは、別れた人と
別の町で出会うという再会が度々繰り返されたが、
ベトナムでは初めてだ。
こんなことがあるとは思ってもみなかった。

出会う人には出会うものだ。と
カミーノようなことを言ってみる。

今日は朝からチャンアンの手漕ぎボードクルージングに
行ってきた。

タムコックとどちらにしようかと迷ったあげく
価格がタムコックの2倍のチャンアンにしてみた。

チャンアンのチケット販売所に行くと
雨のためだろう、
3つあるクルージングコースが1つのみになっていた。
洞窟を舟で巡るから、雨で水面が上昇すると
入っていけないということなのだろうと
勝手に推測した。

3〜5人が乗り込む舟に
ぼくと南アフリカのピーターカップル。
3人で出発。
南アフリカの人たちなのでガタイのデカイ。
(決めつけか?これまで出会ったこの国の人はデカイ印象)

ぼくが思い描いていた構図とは
まったく違ったがこれも巡り合わせ。

走り始めると船頭のおばさんが漕ぐ櫂の音と鳥のさえずり。
ときどき、雨が水面をたたく音。
そんな自然な音をゆっくり聞きながら
カルスト地形の谷間をめぐり、洞窟を通過していく。

途中、船頭さんの休憩を兼ねてか
お寺のある場所に上陸。こういう場所が数カ所ある。
このお寺、建物は立派だが祈りの年輪を感じない。

ピーターたちも何か感じるようで、
「このお寺をどう思う?」と聞いてきた。
ぼくは難しい英語できないので、
「あまりよくない。なぜならここには僧侶がいないから」と
答えた。
彼らは強くうなずいていた。

お寺の見学のような休憩を終えてボートに乗り込む。
そこからいくつかの洞窟を進んでいく。
中には、舟に這いつくばるようにしないと洞窟の天井に
頭をぶつけそうになるところもある。
舟のボディが洞窟内の岩に当たることもある。
そこを進んでいくのが楽しい。

約2時間ほどのクルージングになるが
流れのない川を船頭のおばさんが
頑張って漕いでくれている姿を見ると
高いクルージング料金もうなずける。
本当に体力勝負なのだ。
休憩時間以外はずっと漕いでいるのだから。
確かに広がる景色は壮観だけど、
その絵面の下で小さなボートのエンジンになっている
船頭さんには頭が下がる。

ゴージャスなだけの寺院を建てる費用があるなら
船頭のおばさんたちの給料をあげてほしいなとも思う。

景色の壮大さもさることながら、
船頭さんたちの姿に目を奪われたクルージングだった。

いくつもの洞窟を通過していきます(チャンアン)
マテオとバレリアに再会したタムコック。
タムコックをレンタサイクルで見に来ていた親子。
南アフリカのピーターカップル。
なんだこいつは!日本人。
ずっと雨
田んぼに籾を直播している
写真真ん中あたりに怪しい奴が。マテオが舟から撮ってくれました!photo by matteo

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください