13.すくすく育つリヤカーに嫉妬する 三島~沼津(7km)

昨晩は、公園で若者たちの声が聞こえていた。
早朝は高齢者の方々と思われる声が聞こえる。

公園でテント泊をするときは、
ノボリを一番下まで下ろし、なるべく
目立たないようにしている。
しかし、リヤカー自体が目につくようで
近くに寄ってくるのが音でわかる。

そして、決まって、小さく声を出して
書いてある文言を読むのだ。

旅をしていることがわかるからか、
誰も注意はしてこない。
警察に通報ということも
今まではなかった。

居着いてしまうと、目障りになるが、
夜の時間だけだから、
それほど目くじらを立てて
怒る人もいなかったのかもしれない。

今日は、あまり歩かないことに決めていた。
やりたいことがあるためだ。
テントを撤収し向かった先は、
この旅でよくお世話になっているマクド。

関西ではマクドというが、
それ以外ではマックというそうだ。

日本マクドナルドの調査では
京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県が
マクド圏。
滋賀県、三重県、そして四国4県がバイリンガル。
それ以外は、マック圏らしい。

なぜマクドナルドにお世話になっているかといえば
電源が取れる、WiFiがつながる店舗があるから。

当たりハズレがあって、両方完備のところもあれば
いずれかだけも結構多く、
両方ないという残念なところもある。

どちらも完備していると、
滞在時間が長くなりがちだから、
お店の効率としては
よくないのかもしれないが、
ぼくは大変助かっている。

向かった先のマクドナルドは、
ラッキーなことに両方揃っていた。
欲張りですが、タップ付きの延長コードを持ち入り
パソコン、スマホ、カメラ等の
バッテリー類を充電する。
そして、WiFiが繋がれば、
ぼくの気力も充電されていく気分になる。

今日は、このお店には申し訳ないが
長居をさせていただく。
何をするのか。
藤沢のマダムヤーンが言っていた
テレビ局へのお手紙作戦だ。

まず、ネットで東京、静岡、愛知、大阪の
テレビ局を調べる。
ホームページにメールアドレスがあればいいが
まずのっていない。
番組によっては、メールアドレスではなく
投稿欄を設けていることもある。

しかし、資料の添付もできないし、
届く先が目指す先の部署でもないようだ。

やはり、郵送がいいだろう。
ネットで組織図を見てみると、
どこに送っていいのかわからない。

おそらく制作か報道だろうが、
規模が大きくなればなるほど
細分化されている。
調べるには時間がかかりすぎてしまう。

なので最後は勘。
制作、報道というあたりに
目星をつけて16社に送ることにした。

電話がなる。
富士に住むルタさんからだ。

小田原でリヤカーを断捨離したときに
カレンダーの一部と備品を送らせてもらっていた。
それを届けに来てくれるという。

用意していた封筒に宛名を書いたりと
準備をしている間に、ルタさんが到着。

7月上旬のサンティアゴ・デ・コンポステーラの
大聖堂の中で出会って以来だ。
あの時は、カミーノの雰囲気が漂っていたが
今日は日本の人になっている。

同じ人なのに、違う環境で会うと
違う人に感じたりする。

自分では意識していないけど
ぼくもきっとそうなっているんだろうと思う。

挨拶もそこそこに
封入作業を手伝ってもらう。
二人でやると速い。

あとは切手を貼れば完了のところまで
できてしまった。

タップを使ってデバイスを充電し、
ネットで調べ物して手紙を書く。
封入作業までさせてもらった。
スモールオフィスのようだ。

もちろん、朝、昼、その間も
コーヒーを何杯かいただいたが、
これだけの作業をさせてもらって
本当にありがたい。

ルタさんと一緒に店を出る。
沼津駅前を目指すが、
駅前での販売にも
少し立ち会ってくれるそうだ。
場所の決め込みなど
街を知る人の情報はありがたい。

駅前で落ち合うことにして
一旦別れて歩き出す。

ポストに投函した手紙は
お目当の人のもとまで届くだろうか。
その人が封筒を開けてくれるだろうか。
この旅に興味を持ってくれる人がいるのか。

いや、自分でどうこうできないことに
あまり意識を持っていっても仕方がない。
連絡が来れば、この旅に必要だったからだろうし
来なければ必要がなかった、
もしくは時期尚早だったのかもしれない。

撒き餌を撒いたあとは
自分が持つ流れにまかせればいい。

歩こう。

沼津駅までマクドナルドから5キロほど。
いつも歩くイメージでいえばあっという間だ。

駅でルタさんと再び落ち合う。
人の動線を考えて地下道から駅前にあがってきた
イーラというショッピングモールの前に
店を広げた。

パネルの配置なども一緒に考えてもらっている。
これはうれしい。
自分以外の視点があると大いに参考になる。

反応がよくないので
場所を再考し、駅にさらに近い場所に移す。

ちらちらと見てくれる人、
声をかけてくれる人は増えたが
まだ売りにつながらない。

そこへ一人の女性がやってきた。
カレンダーに目をやったあとに
ぼくの目を真剣に見ながらこう言った。
「失礼な聞き方だったらゴメンなさい。
なんでこんなことをやっているんですか?」

ぼくがいつものように話し始めると
食い入るように聞いてくれている。
質問もどんどん投げかけてくる。
どうしたんだろう、この人。

そう思っていると、自分のことを話し始めた。

今、看護師になるために、学校に通っているが
地域や学校にあまりなじめていないそうだ。
将来に対しても不安がある。

聞いてみると、彼女には子供がいた。
離婚をして静岡にやってきたらしい。

転勤の多かった親元から離れ
大学からは大阪に住み始めた。
そのまま社会人として働き、
結婚生活も大阪だった。
好きな街だったそうだ。

その後もいろんな話しを聞かせてくれた。
ぼくには、明確な回答などできないけれど
聞いてあげることはできる。

胸につかえていたことを
周りの人に言えずにいたんだろうと思う。

話しをしていると
最初は、すごく厳しそうな顔をしていたけれど、
だんだん表情が緩んできて、
笑顔を見せてくれるようになった。
雰囲気のいい可愛らしい女性だ。

人には生き方がたくさんあると
知ることはとてもいいことだ。

そして、世の中の多くの人が
主流だと考えている流れのそばに
たくさんの支流が並行して
流れていることを知ると
一気に選択肢の幅が広がる。

今は主流が氾濫するなかで
たくさんの支流が流れを
作り始めているような印象を
個人的には持っている。

自分の常識の枠の外にいる人と出会うと
新たな支流を発見できる。
ぼくの40代はそんな10年だったように思う。

 

看護学校に通う彼女を見送ると
ルタさんが差し入れてくれたパンが
リヤカーの上に置いてあった。

冷え切ってしまったパンも
温かく思える。

今日もリヤカーにメッセージを
書き込んでもらった。

人の出会いが、想いに変わり
刻まれていく。

旅は人を育てるが
リヤカーはたくさんの視線と
想いを受けてすくすくと育つ。
その姿に嫉妬すら覚えてしまう。

いろいろ問題はあるけど
この旅はリヤカーで間違いなかった。

寝床を探して海岸を目指す。
街灯のない暗がりの道。
その闇を妙にクリアに感じた夜だった。

寝る場所を探して海岸に向かう途中のお寺にて。今回全く関係のない場所だけど、いざ出陣みたいな絵が浮かんできて勝手に撮らせていただきました。



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